キューバでのほほんとするなら世界遺産トリニダー、ぼくの憂鬱は写真にも反映されていた

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旅で訪れる街とその時の自分のコンディションというのはとても密接な関係を持っている。僕はビニャーレスの後で何となくの想いからトリニダーを訪れた。「別に行かなくてもいいけど一応行ってみておこうかな」というとても日本人的曖昧さに溢れた感情だったように記憶している。

結果からいうと僕にとっては可もなく不可もなく、「訪れた」という結果だけが残るものだった。トリニダーはビニャーレスと同様に世界遺産に登録されているし、確かにのほほんとした田舎の良い街である。だがしかしあの時の僕の心はどこか虚ろなものだった。

ふだんポジティブな人間でも長く旅をしていると必ず訪れる不思議なあの感覚だ。おそらく旅に出たことのある多くの人に理解してもらえるであろう。だからもしトリニダーという街を訪れたのがあの時の僕ではなく今の僕だったならば、やはりあの街への想いというものは全く違ったものになっていたのかもしれない。

とはいえ、この国の空気はそんな微妙な状態だった僕にとっては良かったのかもしれない。旅行者でありながら全く注目されることなく、何を強要されるでもなく、誰にしつこく話しかけられるでもない。街を歩いていても見放していてくれるこの街は、やはり首都ハバナの空気に疲れた人にとっては安らぎを与えてくれることは間違いない。

ぼくはこの街にたったの1日いただけだ。ビニャーレスで宿泊したカサのオーナーに頼んでトリニダーのカサも前もって手配してもらっていたので、ただ訪れ、ただ歩き、街を少し感じて、そして去る。僕の場合は、旅の目的や楽しみとして現地の人たちと積極的に出会い語り笑い合うということを大切にしている。しかし、トリニダーではついぞこの工程がほとんど繰り返されることなく去ることになった。

一人で訪れたからという言い訳も浮かんだけれど、一人で訪れたからといってぼくの性格上街中で偶然出会った外国人やキューバ人と二言三言で仲良くなることはハバナ滞在中もよくあったし、自分からそう踏み出せばそうむずかしいことではない。

めちゃくちゃフレンドリーな性格かどうかは分からないけど、おそらく世間一般的な日本人よりはいくぶん距離感の近い人間であることは確かだと自負している。人生は出会いによって動かされて、出会いが多ければその楽しみや豊かさも向上するという考えではいる。

その時の感情と撮影する写真はどこかでリンクしている

トリニダーで撮影した写真を改めて眺めて見た。すると、写真を見ているだけでその時の感情を思い出すことができるのだ。とても不思議だけど、憂鬱とも不安とも退屈とも言えないあの時の僕に、写真を通してまた一度出会ったかのような錯覚を覚える。

ちなみにこれだけシャッターを切ることが楽しかったキューバの旅だけど、この街の写真は明らかに少ない。総数で言えば200枚にも満たない。他の写真好きの方たちが1日に何枚撮影するのかは定かではないけど、僕の場合は調子の良い時は800枚くらいは撮り続ける。それが多いか少ないのかは全く不明ではあるけど、自分の中の指標にはなっている数字だ。

1日半の滞在で残った200枚の写真。

首都ハバナで撮影していた時よりもやはりどこか寂しげな写真が多いように思えるのは僕だけだろうか。トリニダーが田舎だからという見方もできるけれど、たぶん決してそれだけではない。

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ちゃっかり美女を撮影していた

はじめ自分でもいつ撮影したのかちょっと首をひねる写真があった。雑誌のグラビアに載りそうなポーズでどこか笑顔とも言えない微妙な表情を浮かべる女性。いつだったか。

少し考えて思い出したのだが、これは夕食で訪れたレストランで食事を終えて立ち去る間際に撮影したものである。どんなことを考えて「Can I take your photo ?」と尋ねたかはほとんど覚えていないが、憂鬱ささえ感じていたこの時のぼくに唯一光が差し込んだ瞬間がこの人の登場だったのかもしれない。

美人な方だけど特にデートに誘ったとか連絡先を尋ねたとかそういうことは全くない。ただ写真を撮らせてもらったというそれだけである。彼女からしても「?」が浮かぶ中で写真撮影に応じてくれたはずである。

のほほんとしたければトリニダーはおすすめ

この記事ではトリニダーがどんなところかあまりうまく伝わらなかったかもしれない。ぼくは1日半しかここに滞在しなかったし、自分の旅へのやる気のようなものもほとんどない状態だった。世界遺産なのに旅をおろそかにするとは何事かと一部からは叱られてしまいそうだ。

ただ、そんなやる気のない人間でもこの街は放っておいてくれる。ただ歩き、ただくつろぎ、ただ写真を撮る。そんなゆるい雰囲気を感じることができるのがトリニダーの一番の良さである。ハバナに疲れた人はぜひ立ち寄ってみてほしいと思う。

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