タイを訪れたことのある人ならもはや当たり前すぎて言及する必要もないことかもしれないが、タイ人はめちゃくちゃ肌の色を気にする。
とにかく肌が白いことが素晴らしいという価値観である。日本の化粧品広告でも「美白」「美しい肌」というキャッチコピーと共にとりわけ肌が白くて艶々のお姉さんが微笑んでるのはわりかし普通かと思う。
だから言って例えば日本人のメンズが「肌の白い女性=美しい」と捉えるかと言うとおそらく全くそんなことはなく、人によると言えるのではないだろうか。
タイの美白信仰はもはや異常なのではないかという気がしている。タイ人女性と1日一緒に過ごしていると肌の色に関する発言が当たり前に出てくる。
僕「いやー、今日暑すぎだねー」
タイ女子「タイはいつも暑いんだからこんなの普通だよー」
僕「確かにねー、南国だねー、おれ南国に来ちゃったねー」
タイ女子「ホント天気が良いと肌がまた黒くなっちゃうから、いやよー」
僕は一ミリも肌の色に関する発言はしていないにもかかわらず、こんな感じで肌の色に関する話題をふってくる。
またある時も、
僕「君の今日の服装はとてもビューティフルだねー」
タイ女子「コップンカー(タイ語でありがとうという意味)。肌がもう少し白ければもっと美しいのになー」
いや、マジでこんな感じで、当たり前に肌の色について無い物ねだり的な発言を随所で織り交ぜてくるタイ人はかなり多い。ちなみに中華系タイ人を除いた80%くらいのタイ人は東南アジア特有の浅黒い感じの肌の色をしている。
もはやここまで当たり前に、「肌が白い=正義」という図式が成り立つ国は世界中に存在しないのではないだろうか。
僕自身、2年前からカナダのバンクーバーで暮らしているが、そもそも肌の色のみならずそもそも体型について公の場で語ること自体があまりよろしくないのが一般的なので、肌が黒いよりも肌が白い方が良いという風に捉えられなくもないタイ人的な思考はちょっとかなり世界的にはNGな考えに僕の眼には映る。
多くの日本人はおそらくタイ人よりも肌が白いことが多いので、タイ人のこんな感じの発言を聞いたところで、「へー」としか感想を持たなかったりするわけだが、そもそもタイ人よりも肌が黒い人がタイ人的な思考を知った時にどう感じるのだろうかと心配にはなった。
まあタイのみならず、日本や韓国も美白信仰はかなり強いことを考えると、肌の色でその人の美しさは決まらないという当たり前を、当たり前に無視している国や人たちってかなり多いんだなと結構寂しくなる。
僕のようにどんな人種の人でも美しく感じるようなそんな価値観を誰もが持ち合わせていれば、こんなクソみたいな美白信仰は一瞬で消え去るわけなんだが、世の中の大半の人は全ての人種の人とデートしたり、カフェしたり、デートしたり、囁き合ったりはしないわけなので、この美白信仰は歯止めが効かないと思われる。
全くもって最後のまとめ方がわからないが、とりあえず人の美しさというのは人種、肌の色、宗教などで決まるものではなく、笑顔と価値観と優しさで決まるわけなので、そこら辺はみんな絶対に忘れてはいけない。
もはやそんなことは当たり前だと僕自身は考えてるわけだが、美の基準自体をメディアや周囲にコントロールされてしまっている人がほとんどのこの世の中なので、まずはみんな全人種の人としっかりデートしてみようね。それから自分なりの美の基準を定められるようにしてください。