キューバのお金持ちが行くスーパーマーケットでは商品を選ぶことすらできない

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キューバという国のイメージを掴むにはほんの少し暮らしたくらいでは分からないことがたくさんある。社会主義で、野球が強くて、陽気で、ダンスを踊る。そんなド定番のキューバ像ならばほんの数日の滞在でも容易に感じ取ることができるけど、キューバには多くの旅人が見逃す部分もたくさんある。

多くの旅人がキューバの首都ハバナで時間を過ごすことになるのはハバナ旧市街(Havana Vieja)と呼ばれるところである。ハバナはそこまで広くなく、メインのエリアは4つほどに分けられる。ハバナ旧市街(Havana Vieja)、セントロハバナ(Centro Havana)、ベダド(Vedado)、ミラマール(Miramar)

この中でミラマールに関して詳しい情報を載せている人はほとんどいない。なぜなら観光名所のようなものはほとんどないし、おそらく観光ツアーでも素通りされるであろうエリアだから。

ぼくもミラマールについて完璧に知り尽くしているわけではないので、見て感じた感想を述べることしかできないけれど雰囲気は掴んでもらうことができるはずである。

まず一般的にミラマールはハバナの中では富裕層が暮らしていると言われており、各国の大使館に勤める人たちも多くはこのエリアで暮らしている。ぼくが通っていたハバナ大学スペイン語コースのクラスメイトの中に大使の娘さんがいたけど、彼女もミラマールに暮らしていた。

正直に言って観光客は皆無。というか、観光客のほとんどはハバナ旧市街周辺をブラブラしているだけなのでその他のエリアには行かない。そして、特段用がない人がわざわざミラマールを訪れるメリットはほとんどないとも思う。ぼくは単純に好奇心からキューバ人の友人と共に何度か訪れたけれど。

ハバナ旧市街と比べると道路も建物も現代的すぎてキューバらしさがまるでない。音楽も鳴りひびかなければ笑顔で踊る人々もいない。いかにもな住宅地で生活感が漂いまくっている。ここは本当にキューバなのだろうか。

ミラマールの道路

ミラマールの赤い建物

ミラマールの青い建物

UNITED COLORS OF BENETTONの看板
ベネトンの商品を販売しているのだろうか?

ぼくらが思い浮かべるであろうスペイン植民地時代の建築物は全く見当たらない。道路もしっかりと舗装されていてハバナ旧市街やセントロハバナのところどころ穴の空いた地面とは大違いだ。

人々も大声で話しかけても来なければ一日中道路にたむろして時間をつぶしていたりもしない。同じハバナの中でもこんなに雰囲気が異なるエリアがあるとは訪れるまでは夢にも思わなかった。

ミラマールのショッピングモール前に駐車している車

駐車している車

こちらはショッピングモールの前。なんと多くのキューバ人が自家用車を停めて買い物を楽しんでいるではないか。キューバの車の所有率は超低いのでやはりお金持ちが多く住むエリアということが納得できる。

水着でポーズをとるモデルと撮影するカメラマンたち

海岸では優雅にグラビア撮影も行われている。ミラマールで時間を過ごしているとキューバのイメージが大きく変わっていく。やはり国も都市もひとことで語ることはできないし、いろいろな側面を持ち合わせて都市は成り立つものなのだろう。非常に興味深い。

お金持ちが訪れるスーパーマーケット

このミラマールにはなんとふつうのスーパーマーケットがある。ハバナ旧市街やセントロハバナには市場はいくつかあったけれどスーパーなんてものは存在しない。興味があったので店内の様子を見に行くことにした。

ミラマールのスーパーマーケット

店内の光景があまりにも衝撃的だったのでiPhoneで撮影しておいた。この陳列棚がキューバという国の現状を物語っているといっても過言ではない。

日本のスーパーに行った場合、何を買うにせよ「どのメーカーにするか」という選択肢が消費者にはある。しかし、キューバではその選択肢自体が存在しない。洗剤、サラダ油、牛乳、クッキーなど、きれいに同じメーカーの品物しかない。

日本は世界でも1、2位を争うほどモノが溢れた国なので、この光景には唖然としたものだ。選択肢が多すぎるのも厄介かもしれないが、キューバの物不足は現代社会においては常軌を逸しているレベルである。

そして、この陳列棚以上に驚いたのは商品の価格である。

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商品の価格が日本以上

前提として下記のことを確認してもらえればと思う。

  • 1CUC=1ドル(価格は全てCUC表示なのでそのままドルとして計算できる)
  • 日本円は1ドル=110円として計算

▶︎コーラ:$0.9(99円)

▶︎りんごジュース:$2.3(253円)

▶︎コーンフレーク:$2.1(231円)

▶︎ジャム:$3.75(412円)

▶︎桃の缶詰:$3.85(423円)

▶︎洗剤:$3.15(346円)

▶︎シャンプー:$6.35(698円)

どの商品の価格を見ても日本より高いレベル。月給5,000円とも8,000円ともいわれているキューバ人がこの価格設定で買い物できるはずがない。詳しいことは分からなかったが、おそらく海外で暮らす家族や親戚からの送金がキーになっているのではないかと思う。セントロハバナで暮らすキューバ人には全くもって意味をなさないスーパーであることは確かである。

ここで買い物をしている人たちの服装を見ても富裕層であることが伺えるものだった。どちらかというと、一番見すぼらしい格好をしていたのはぼくだったのかもしれないと鏡に映った自分を見て思ったりした。

今になって思えばここで買い物をするような人たちがどんな生活をしているのか尋ねてみればよかったと少し後悔している。


キューバのこんなコアな情報を載せているブログやサイトはないのではないだろうか。ぼくはキューバに3ヶ月しか滞在していなかったけれど、1週間の旅行で訪れて観光だけした人よりは何十倍もキューバ事情を知ることができた。

もちろん大使館で働いている人や現地に長く暮らしている人はもっと多くの日本人は知り得ない情報を知っているので比較にはならない。でも、子供の時から漠然とした憧れを持っていたキューバという国に少しの期間暮らしたことはとても貴重な経験になったはずだ。

このスーパーの商品の価格設定や品薄状況を自分の目で見て、やはりキューバの経済困窮は限界に来ていることを認識した。キューバではいくらお金持ちでもそもそも購入する商品が国に輸入されない。

ちなみにミラマールに観光目的で訪れる外国人はほとんどいなので、ぼくのようにコアなハバナを見てみたいという人はぜひ一度訪れてみるのも良いかと思う。でも観光地巡りこそ旅行の醍醐味という人には全く見所がないことは伝えておく。

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