「ハグは日本を救うかもしれない」
何を言ってるのこの人は?と思われたかもしれませんが、ぼくは結構本気でこんなことを最近よく考えます。
ぼくは日本で生まれ育って、22歳になるまで一度も海外に行ったことのない生粋のジャパニーズだったわけですが、ひょんなことからカナダへ留学したことをきっかけに今まで20カ国以上の国に暮らしたり旅行したりしました。
今では海外大好き人間で、久しぶりに友人から連絡が来たと思ったら「今、日本にいるの?」ということを尋ねられることも少なくありません。
ぼく=海外大好き人間
こんな図式を周囲の人は自然と持つようになったのかもしれません。それくらいぼくと世界は近いものになったし、もはや外国人と日本人という分け方をすることも少なくなりました。
そんなぼくが海外で過ごす中で一番強くインスピレーションを受けたのが、人々が「挨拶として日常的にハグをする」ということでした。
もちろん中国、韓国やイスラム圏の国々では日本と同様にハグをするという文化を持ち合わせていない国もあります。
ただ、世界全体で見た場合に、ハグ文化のない国というのは間違いなくマイノリティーであると感じました。
ぼくたち日本人の当たり前は世界から見るとおかしなことのようです。
常識と非常識の話で言えば、どの国にも当てはまる事例があるのでそこを突き詰める気は毛頭ありませんし、その点で日本がおかしいと言っているわけでもありません。
今回はぼくが感じたハグの素晴らしさについて単純に書いてみたいなと。
目次
メキシコではハグは常識中の常識だった
「ハグって素晴らしいな!」と強く感じるようになったのは、ぼくがメキシコという国で3ヶ月ほど暮らしていた時のことです。
メキシコ人の友人宅に住まわせてもらっていた時に、その友人の家族・親戚・友達が毎日のように尋ねて来て、むこうでは珍しいアジア人のぼくにとてもフレンドリーに接してくれました。
もちろんその時はスペイン語をほとんど理解できていない状態だったので、とりあえず笑顔で「gracias(グラシアス)」を連呼していた気がします。
中でもぼくのことを可愛がってくれたおばちゃんがいて、彼女はいつもぼくのことを見つけると「ハグ!ハグ!」と言って迫ってきました笑
もはやそこにハグをしないという選択肢はないし、それこそぼくたちが日々当たり前のように使う「おはよう」や「こんにちは」という挨拶以上に、「ハグをする」ということは彼らにとって常識中の常識なのです。
初めの頃は毎回毎回ハグをするということに多少めんどくさいという気持ちもあったのですが、1ヶ月、2ヶ月と経つうちに、ハグをすることで優しさや愛を自然と感じている自分に気づきました。
ハグはどんな時でもどんな人にも癒しを与えてくれる
ぼくは特別ネガティブな人間でもないし、根暗な人間でもないし、そんなにテンションが低い人間でもありません。
そんなぼくにも、自分でも気づかないうちに心が塞ぎこんでいたり、落ち込んでいたり、疲れていたりすることがたまにはあります。
どんな人でもそういう時はあると思うんです。あからさまに苦しいわけではないけれど、何だか無気力な時期は誰にでも訪れるのかなと。
メキシコで少し暮らしている時にもそんな時期があったんですね。
そんな時に人と出会い、ぎゅっとハグをするだけで、心がフワッと軽くなる感覚にすごく癒されたのです。何かを根本的に変える解決策にはならないかもしれないけど、何だか気持ちが楽になったんです。
その時からぼくはたかがハグという挨拶には、ものすごく優しいパワーのようなものがあると考えるようになりました。
こんなことを大まじめに語っても、たいがいの人は「あなたの考え方は変わってるね」という一言で片づけられます。そして、その「変わってる」という意味はほとんどの場合において「変な人」という意味であることも暗に伝わってきます。
だから信頼する人間にしかこういう話をする気はないし、しても意味はないと思っていますが、ブログという空間だからこそこういう自分の考えをガンガン発信していくべきと思い本気の主張を書いてみています。
「おもてなし」と「フレンドリー」って相半するものなのかな?
日本ではできるだけ知らない人とは距離を置くのが常識で、距離感というのがマナーとして必要な社会です。
だから電車内では基本的には知らない人同士が急に会話を始めることもないし、レストランに入った時に店員とお客さんが軽い雑談を挟むこともほとんどありません。
「他の人の迷惑になることをするな!」が常識として浸透している考え方なので、できるだけ相手に配慮して、相手の感情を汲み取る努力をしてというのがぼくたちの建前なのかもしれません。
そんなこの国では「おもてなし大国日本」という言葉が、オリンピック承知での滝川クリステルさんのスピーチを受けて有名になりました。
そして、メディアはこぞって日本人の「おもてなし」は素晴らしいと連日報道しています。
でも、「おもてなし」って距離感を置いて真面目に接することだけなのかな?
ぼくは「おもてなし」と「フレンドリー」という概念はある意味でイコールだと認識しているので、その観点からすれば日本での「おもてなし」には間違いなく「フレンドリー」な部分はごっそり抜け落ちていると感じます。
ぼくを遠いメキシコの地で癒してくれたのは、間違いなく彼らのあたたかさ、フレンドリーな面であったし、たまに強引だけど優しさで溢れた彼らなりの「おもてなし」でした。
彼らの優しさを毎日のように感じることができたのは、元をたどればやはり普段のハグだったのかなと今ならそう言えます。
日本には細かい気配りという長所があります。この面においては、世界中探しても日本以上の国を見つけるのは相当難しいのではないでしょうか。
それだけ正確さや緻密さを兼ね備えている国です。
そこに「フレンドリー」な面が加われば、今までよりももっと良い国になっていくとそう確信しています。そこで、今回のテーマである「ハグ」を自然体でできる国にしていけたら良いのになとぼくは考えているのです。
ここでようやく突然始めた「おもてなし」の話と「ハグ」が繋がりました笑
ハグは承認欲求を満たしてくれる
それと、癒しという漠然と言葉で説明する以外にハグという行為を自分なりに深掘りしてみて行き着いたのは、「ハグは承認欲求を満たしてくれる」ということ。
マズロー承認欲求の中でもこの場合下記が当てはまります。
〈3.所属と愛の欲求(3段目)〉
上記二つが満たされれば、 次は「所属と愛の欲求」が現れます。 良好な人間関係 必要とされている自分 居場所・所属場所の存在 そんな欲求ですね。 お腹いっぱいになり、 寝床もあるし外敵もいない。 いざとなれば、 セーフティーネットも完備されている。 だから次は…愛が欲しい! といった感じでしょうか。 「恋人が欲しいな~」とか。 「愛されたいな~」とか。 「居場所が欲しいな~」とか。 そういった欲求は、 実は、 生理的欲求と安全の欲求が 満たされているから生じている! んですね。 そう考えれば、結構贅沢…かも。 この欲求が、孤独感やうつ状態の原因にもなります。
日本では恋人やかなり親しい間柄でなければ気軽にハグをするなんてことはありませんよね。
そうなると、もしずっと恋人がいない人は、誰にもほとんど誰にも抱きしめられることなく日々を生きていることになります。誰にも包まれずにいるのは実はとても精神的には良くないと思うんですね。
たった一人でもどんな時でもその人のことを抱きしめてくれる人がいれば、安心感や癒しを日々得ることができることになる。
でも、それがないとどこかで自分だけで背負いこんでしまい、癒しのなし日々を生きるしかなくなってしまいます。
どうしてラテン系の人たちには笑顔が多くてフレンドリーで、なんだかとても楽しそうな雰囲気をいつも見せてくれるのだろうと考えてみたところ、彼らは承認欲求を日々満たしているからだという結論に至りました。
国民性と言ってしまえばそれまでですが、国民性を作っていく文化という土台の中に、間違いなく彼らが無意識に行うハグの習慣が含まれていると思います。
ラテン系の人々は承認欲求を満たすのが上手いから幸せそうなんだと思う
ハグは相手をしっかりと受け入れるということで、受け入れたほうも、受け入れられたほうも幸せな気持ちになります。ハグをして急に嫌な気持ちになることなんて、常識的に考えたらほとんどないですよね。
それは言ってみれば、相手と自分の承認欲求を満たすことを習慣にしているということだと思います。
人間誰しもが自分のことを認めてほしいという気持ちを持っています。それを、否定し合うのではなく、互いに受け入れあうというのが日本よりも優れているのではないのかなと。
毎年、世界幸福度調査というものが実施されていますが、これを見ればラテン系の国々の人々の楽観性やみんなで幸せな気持ちになろうと考え方は一目瞭然です。
参考:最新版「世界幸福度ランキング2016」の結果発表! G7の幸福度が壊滅する中、幸福度1位に輝いたのは? | 永崎裕麻
1位のコロンビアを筆頭に、パナマ、アルゼンチン、メキシコ、エクアドルと、上位5カ国をラテン系の国々が占めています。
毎年末恒例の「世界幸福度調査」(※1)の結果が発表されました。
順位は以下のとおり。1位 コロンビア(85)
2位 フィジー(82)
2位 サウジアラビア(82)
4位 アゼルバイジャン(81)
5位 ベトナム(80)
6位 パナマ(79)
6位 アルゼンチン(79)
8位 メキシコ(76)
9位 エクアドル(75)
10位 アイスランド(74)
10位 中国(74)
ちなみに日本は下記のとおり。思ってたよりは高いですね。
23位 カナダ(60)
28位 日本(52)
42位 アメリカ(43)
47位 ドイツ(40)
54位 イギリス(37)
57位 フランス(33)
57位 イタリア(33)
この調査がどこまで信ぴょう性のあるデータを利用して分析しているのか分かりませんが、なんだかんだで順当な結果ではないでしょうか。
メキシコ人やコロンビア人は、自分のことを好きな人も多いし、他人のことをめちゃくちゃ気にかける人も多い。まさにWin-Winの関係が自然と文化として浸透しています。
それはこの2カ国で数ヶ月間ではありますが暮らしてみて、ローカルの人々とたくさん交流をして分かったこと気づいたことです。
ハグを日本社会に広めてみんなでハッピーな気持ちになろうよ!
ハグの話から社会学的な話にまで発展してしまいましたが、ぼくが言いたいのはズバリこれなんです。
「ハグ日本社会に広めてみんなでハッピーな気持ちになろうよ!」
みんなで日常的に癒しを感じながら、他者を受け入れる気持ちを持つ。
そうすれば、ネガティブな気持ちになった時に多少なりとも救われだろうし、人々の交流も今まで以上に増えていくと思います。
先進国あるあるで、国の発展と共に人と人との交流は減っていくものだけど、その部分だけは絶対に残さなければいけないところ。
「ハグ」という習慣が広まれば、こころの面だけでなく、そういう人との密接な関係を形成していく面でも力になっていくと本気で信じています。
なんだかめちゃくちゃアツく語ってしまいましたが、ハグ好きが少しでも増えてくれれば幸いです。
初めまして。
たまたまたどり着いてブログ読ませてもらったんですが、共感しかありません。私も今オーストラリアに留学していて、家族もいない土地で、南アメリカの友達にとても癒されてます、、、。こういう風に感じる日本人は私だけじゃなかったんだって分かって嬉しかったです!
オーストラリアいいですねー!ぼくはまだ行ったことないので行ってみたいです!
ハグが当たり前になるとハグがないともう寂しくて日々生きていけない気がします笑
お互いに海外生活楽しみましょうね!!