グリエルがした目を釣り上げる仕草は本当にアジア人差別と言えるのだろうか?

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先日のメジャーリーグの試合での出来事。

ワールドシリーズ第7戦アストロズ vs ドジャースの試合で、アストロズのグルエル選手がダルビッシュ選手からホームランを打ち、ベンチに戻った際に目を釣り上げる仕草をしたことが問題になった。

国際的にも大々的に報じられたニュースなので目にした人も少なくないはずだろう。昨今のスポーツ界では人種問題に発展するような差別的行為に関しては強く非難されるようになってきているので、今回の件でグリエルが批判の的に晒されたのは全うだと思われる。(個人的経験からの考えはこのあとで述べる)

グリエルが行った差別的行為とは?

内容がよく分からない方のたまに一部記事を引用してご紹介しよう。詳しくは引用先の記事をチェックしてもらえれば概要を掴める。

二回の先頭で打席に入った元横浜DeNAのグリエルのレフトへの本塁打だったが、意気揚々とベンチに戻ったグリエルは、チームメイトと談笑をしながら、自分の両目を両手で横に引っ張り目を細めるような仕草をした。アジア系の人々への差別と受け取られる行為だ。引用:グリエルの人種差別行為が全米に波紋。ダルは不快感、本人は「謝罪したい」 | THE PAGE(ザ・ページ)

グリエルはダルビッシュから本塁打した後、ベンチで目尻を指で押さえて両目を細くしながらスペイン語でアジア人の蔑称を口にした。オフに感受性訓練も義務付けた同コミッショナーは「MLBはこのような言動を認めない」と語った。引用:グリエルに出場停止処分 差別的行為で来季開幕から5試合 MLBコミッショナー「このような言動を認めない」 – 野球 – SANSPO.COM(サンスポ)

こちらの動画を見ればもっとよく分かる。すでにサムネイル画像で分かると思うけど、グリエルはダルビッシュからホームランを打った直後にこのポーズをしており、これが大問題になったのだ。

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グリエルってどんな選手?

とりあえずこの件についての意見を述べる前に、まずはグリエルについて簡単に紹介しよう。

 

ユリエスキ・グリエル・カスティーヨは、キューバ共和国サンクティ・スピリトゥス州サンクティ・スピリトゥス出身のプロ野球選手。右投右打。現在はMLB・ヒューストン・アストロズに所属。愛称はエル・ユリ。 2017年よりMLBでの登録名はユリ・グリエルとしている。ウィキペディア

生年月日: 1984年6月9日 (33歳)
生まれ: キューバ、 サンクティ・スピリトゥス
身長: 183 cm
所属チーム: ヒューストン・アストロズ (#10 / 三塁手, 指名打者, 一塁手)

DeNAベイスターズでも活躍した

たぶん知らない人も多いだろうけど、彼はほんの少しだけ日本でもプレーをしたのだ。僕は学生時代に野球一筋だったこともあり、野球ネタは一通りチェックしてるけどグリエルが日本でプレーすることが決まった時はありえないくらいに盛り上がった。

僕が中南米に滞在していたのがちょうど2014年。彼は一瞬だけDeNAでプレーして、その後帰国してしまったのでついに日本での彼の勇姿を目にすることはできなかった。ちょっとした心残りではある。

2016年にアメリカに亡命する

10年以上前からグリエルがアメリカに亡命するのではという噂は流れていた。彼は何度もオリンピックの舞台でキューバの主砲として活躍した最強の選手なので、メジャーリーグ関係者もおそらく水面下で何らかのコンタクトを取っていた可能性は高い。というか間違いない。

そんな中で2016年にようやく彼はアメリカに亡命→メジャーリーグ挑戦を果たすことになる。この時すでに32歳。全盛期を過ぎたであろうと思われるが、アストロズでスタメンを取り、しかも2年目にはワールドシリーズ優勝を果たす。「持ってる」と思わざるを得ない。

あの報道だけを見た人たちは「グリエルは差別主義者」というレッテルのみを貼るだけで終わってしまうかもしれない。ただ、彼の人生には多くのドラマがあったし、そして現時点でもそのドラマは続いている。

8ヶ月中南米で暮らした中で目を釣り上げる仕草を何度もされた

何だか彼を全面的に擁護しているような流れになっているけど、今回の件はスポーツというしかもメジャーリーグの舞台で起きたことなので、彼がどう弁解しようがやはり非難さえてしょうがない行為であったとは思う。

ただし、中南米で8ヶ月ほど暮らした僕にとっては「そこまで騒ぐほどのことかな?」という感想を持っているのも実際のところだ。メキシコ、キューバでは少し暮らしていたので、ほとんどの日本人よりも中南米に詳しいと思う。(もちろん僕よりも断然詳しい人もいるけど、そういうツッコミはやめてね)

僕自身数えたわけではないので実際に何回目を釣り上げる仕草をされたかは定かではない。ただ、両手で数える以上はラティーノたちが僕に対してこの仕草をしてきたことだけは間違いない。

「え、中南米ってそんなにアジア人を差別するの?」と感じるかもしれないけど、この仕草が直接的に「F*CK アジア人」的な意味合いを持つことはほとんどないのではと今の段階では考えている。

彼らにとってはアジア人がみんな「中国人」であるのと同じように、アジア人はみんな「目が細い」という共通認識を持っている。スペイン語でアジア人のことをAsiatico(アジア人)というが、ほとんどの場合はChino(中国人)と呼ばれる。

僕たちが「中国人ではないよ、日本人だよ」と何度言ったところであまり効果はない。彼らの共通認識はアジア人=中国人なのだ。これに異論を挟むことは相当に難しい。同じようにアジア人=目が細いという認識もかなり根深い気がするのだ。

仲の良い友人ですら目を釣り上げる仕草をする

そして、びっくりするかもしれないけど、目を釣り上げる仕草というのは日常で当たり前に使われている。わざわざそんなアクションを取らなくても良いのにとは思うけど、彼らは事あるごとにアジア人を指して目を釣り上げて説明する。

仲の良い友人ですらたまにこのアクションをするので、目を釣り上げる仕草が一概にアジア人への差別的行為と捉えるのはどう考えてもおかしな論理ではないかと感じざるを得ない。

彼らが僕のことを差別していたならなぜ僕はメキシコの友人宅に無償で3ヶ月も滞在し、コロンビアの友人家族には無償でコロンビア国内を旅行に連れて行ってもらえたのか。『mi casa es tu casa』と言って最大級のおもてなしをしてくれた彼らは真の友人である。

たぶん中南米に行ったことのない人には彼らが目を釣り上げる仕草をするタイミングや、した後の雰囲気が伝わらないので、「わざわざアジア人を侮辱するような仕草をするなんて信じられないよ!」と捉えられてもしょうがないとは思う。

ただ、目を釣り上げる仕草をする人=アジア人を差別している人という方程式は全くもって成り立たないことだけはここでしっかりと伝えておく。それは僕が約8ヶ月間中南米の国々で過ごしてきて感じた結果である。

もちろん中にはアジア人への差別を持ってこの仕草をあえてしてくるような人もいるかもしれない。しかし、差別主義者というのはどの国にも一定数存在するのでそこを議論しても意味はないのではと思う。

そもそもアジア人は目が細いことにコンプレックスを持ちすぎじゃない?

ここで僕の持論。アジア人の中には目を大きく見せたいという願望があまりにも強すぎるのではと感じることが多い。僕の目の大きさはふつうだけど、特に目を大きくしたいと考えたことは一度もないし、自分のアイデンティティとして気に入っていたりする。

目が大きいから美しくて目が小さい細いから美しくないという構図なんて存在しないし(僕はそう思ってる)、存在するべきではないのだから、自分の生まれ持ったパーツに誇りを持ってもいいんじゃないのかな。そうすれば、たとえ「あなたすごい目細いねー!」と言われたところで、「あなたは目大きいねー!」とただ返してあげれば良いだけのことだ。

 


とはいえ、やはり中南米でよく見られる目を釣り上げる仕草というのは何とかならないものかとは思う。教育を受けていないような人がするのなら多少分からないでもないけど、エリート層でも当たり前にこの仕草をする人がいるのだから。

アジア人の中にはこの仕草に対してよく思わない人が多いということが今回の件で明らかになったのだから、世界的にもこの仕草というのはなくなる方向に進めば良いなと。

特に締めの言葉を用意していないけど、とりあえず今回の一件だけでグリエルのことを嫌いにならないであげてください。彼としては本当にアジア人蔑視の意味なく無意識に行ってしまった行為だと思うので、今後は改めてメジャーリーグで益々活躍してくれることを願っている。

最後に、彼のツイート投稿も載せておく。

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