キューバについて語るうえで欠かすことのできないトピックの一つにCasa(カサ)があります。カサとは日本語に訳すと「家」という意味ですがここキューバではその意味合いが少し異なります。見た目はふつうの家と変わりませんが、旅行者を宿泊させることを政府から認められている、それがカサです。
正式にはcasa particular(カサ・パルティクラル)と呼ばれていますが、みんなカサと省略して呼んでいるので『カサ』という単語を出すだけで「あー、宿を探してるんだな」とすぐにわかります。
キューバでは外国人が泊まる場所はホテルかカサという選択肢しかありません。ネットの普及もまだまだなので、世界中の旅人が利用しているカウチサーフィンや*Airbnbはもちろんないし、地元キューバ人の自宅に泊まることもルール上はNG。
*確認したところ2015年4月からAirbnbのキューバでのサービスが開始されたみたいです。
ぼくはキューバをはじめて訪れた際にカサもホテルも予約していなかったので、ツアーではなくひとり旅などで訪れる人はぼくと同じように宿のイメージすら掴めていない人がいるかもしれません。そんな人のために今回記事を書いてみることにしました。
ちなみにカサの中でも合法、非合法のカサがあり、こちらの青いマークが家に掲げられていれば合法のカサと言われています。
そうそう、赤のマークも見かけたのだけど、青と赤の違いが何か分かる人いますかね?何か教えてもらったような気もするけれど忘れてしまいました。
貧困国のキューバとはいえホテルは一般的な値段なので、宿にお金をかけたくない人たちはカサに泊まる人が多いです。ぼくの知る限りキューバには日本のアパホテルや東横インのような安めのホテルはほとんどないので、ほとんどのホテルの価格帯が高めに設定されているみたいです。
下記のリンク先を確認してもらえれば分かりますが、概ね1万円/泊くらいが相場のようですね。
2017年 ハバナで絶対泊まりたいホテル!10選 【トリップアドバイザー】
外観は結構ゴージャスとはいえ、キューバのホテルなので日本でのサービスを基準としてしまうと大金を払ってまで泊まるほどではないというのが一般的なケースみたいです。
ぼくの旅のスタイルはホテルや食事にお金をかけるというよりも、むしろ現地の人々とどれだけ密に接することができるかという点を重視しています。そんなぼくにとってはホテルよりもカサのほうが何十倍も素晴らしく楽しいものだと感じました。
たぶんどれだけお金持ちになっても、ホテルではなくカサに泊まるだろうなあ。
そんなわけでぼくがカサをオススメする理由についてまとめてみたので参考になればと思います。と言っても、泊まったカサは1軒だけなのでかなり偏った実体験に基づくものになりますが、そのへんはご了承ください。
目次
マリッサのカサ(セントロ・ハバナ)
ぼくが滞在したカサは、宿主の名前がマリッサなのでマリッサのカサです。なんとも単純。写真はどちらも玄関ですが、ここの雰囲気もとても好きだったな。
このカサに出会ったのは偶然。たまたま空港で出会ったフィンランド人が予約をしていたのがこのカサで、彼女が「Youも泊まっちゃいなよ」と勧めてきたことから2週間彼女とこのカサの同部屋で過ごすことになりました。
よくよく考えてみると空港で出会い、タクシーで意気投合し、そして2週間ほぼ毎日一緒にいるなんてまさに旅だからこそのことだけど、彼女のおかげで優しさ溢れるマリッサに出会うことができたのでとても感謝しています。
2週間のキューバ旅行のあとで、もっと長くこの国に滞在したいとの想いからハバナ大学でスペイン語を学ぶことを決めてこのマリッサのカサにすぐに舞い戻ってきました。なので、旅行などの期間を除けば約2ヶ月ほどこのカサに滞在したことになります。

空港で出会ったサンドラと、マリッサが飼っているカラメロちゃん
マリッサのカサはいくつかのサイトで予約ができます。これ以外にもたくさんの旅行サイトに登録されているのでご確認下さい。「Casa Maritza de la Osa」で検索すればたくさん出てきます。
キューバらしさを味わえるセントロ・ハバナ
多くの人が思い描くキューバの姿はセントロ・ハバナにあります。昔ながらの建物が立ち並び人々が陽気に生活しているといったイメージならばここでしょう。
そんなセントロ・ハバナにマリッサのカサはあります。カサと同じ通りを撮影した写真を載せておきます。よりイメージしやすいかなと思います。
ローカル臭がプンプンするエリアなので、旅慣れしていない人にはオススメできないかもしれませんが、東南アジアや中東にひとりで行ってしまうような人には持ってこいのエリアです。
毎朝ハバナ大学に通うためにこのエリアを歩いていたぼくは、ふとした時に自分が主人公の映画の中にいるのではないだろうかと、そんな感覚さえ覚えました。それだけ現実離れしている雰囲気を味わえる場所ということですね。まさに異空間がここには広がっています。
【宿泊費】
ドミトリー:8ドル /泊
個室:6〜9ドル /泊
こちらのサイトで検索してみました。
日本円で換算すると一人1000円以下で泊まることができます。ありえないくらい安い。時期に応じて宿泊費は多少変わっていたので、泊まりたい日で検索してみて下さい。やはり人気みたいで結構先まで予約が入ってみるみたいです。
セントロ・ハバナ以外のハバナ旧市街やベダドにもカサはたくさんありますが、セントロ・ハバナは最安のエリア。その中でもこの価格はかなり安いほうなのかなと。これ以上に安いカサを探すのは至難の技ではないでしょうか。
というか、カサについて書いている他のブログを確認してみたのですが、マリッサのカサはどう考えても超格安ですね。ただ、政府公認であることは間違いないのでそこは大丈夫です。
というのも、ぼくは2ヶ月間ハバナ大学のスペイン語コースに通っていましたが、その際に滞在しているカサの証明書が必要になるのでマリッサに作成してもらったのです。もし非公認のカサだった場合ハバナ大学に対してそんな証明書を発行するはずがないですよね。
世界中の旅人(特に欧米人)と交流できる
大人気のマリッサのカサには2、3日のスパンで入れ替わ立ち替り世界中の旅人が泊まりに来ていました。キューバというかなりアグレッシブな国に来るだけあって旅慣れしている人が多かったですね。
毎晩のように語り合い、飲みに繰り出し、踊りに繰り出し、最高の時間を過ごしたのを昨日のことのように思い出します。
ぼくが宿泊していた時はヨーロッパからの旅人がほとんどでアジア人はほぼ皆無でした。そもそもキューバという国自体アジアからの旅行者はかなり少数で、道でアジア人とすれ違うことがかなり珍しいくらいですね。
スイス人、イタリア人、オーストラリア人、フィンランド人、スェーデン人、ドイツ人、アメリカ人、カナダ人。実にたくさんの人たちと出会いたくさん交流できました。
宿主マリッサの人柄が素晴らしすぎる
そして、このカサの何が素晴らしいかってマリッサですよ!マリッサのカサというだけあって宿主はマリッサという名前の女性。
典型的キューバ女性の彼女は向かうところ敵なしというくらいのたくましさがあって、とにかく分からないことがあったら何でも彼女に聞いていました。
ぼくの拙いスペイン語も彼女と毎日のように語り合う中で徐々にブラッシュアップされていきました。途中からはキューバ人の友人と電話でやりとりできるくらいにまでになったのは、マリッサがいつも話につきあってくれたのが大きいと思います。

ぼくのキューバの母マリッサ
キューバでは珍しく英語が流暢に喋れるだけでなく、若い頃は3年ほどロシアに住んでいたということでロシア語も話すことができる。おそらくというか間違いなく仕事のできる人といった印象を真っ先にうけたのを覚えています。
そして、毎晩11時頃になると玄関に二重の鍵をかけるのを忘れないしっかりもので、夜中に帰宅した際にも嫌な顔ひとつせずに玄関を開けてくれました。(安全面を考慮してか鍵は二重にかけられていたので、深夜は自分の鍵では家の中に入ることができませんでした。とはいえキューバは安全なんですけどね)
マリッサの家族もとてもあたたかい
マリッサの旦那さんのホルヘもとても優しい人です。自分のことをシャイな人間だというだけあって一般的なキューバ人と比べると少し静かな印象でしたが、とてもやさしく笑顔が素敵な人でした。
そして、娘さんはハバナ大学で教員として働いており、頻繁に家族と共に家に来ていました。英語も流暢で知的で明るい人でしたね。
マリッサへの心からの感謝を込めて
今回このような記事を書こうと思った理由は、ぼくが以前旅の記録を綴っていたブログを読んで実際にマリッサの家を訪れてくれた日本人がいたみたいなんですね。
友達づてに聞いた話なので詳しくは分からないのですが、マリッサはぼくにとても感謝していたそうでそれを聞いてとてもとても嬉しく感じたわけです。
キューバという国を想像以上に好きになれたのはマリッサとの出会いも大きく影響していると思うから、これは彼女への恩返しでもありキューバへの恩返しでもあるのです。
だからまたブログを再開することにした時にマリッサのカサについて書こうと心に決めていました。この記事を読んでマリッサのカサを訪れる人がこれからもたくさん現れてくれたらとても嬉しいです。

日本人の旅人がお土産でくれた草間彌生さんのハンカチ。とてもセンスの良い方ですよね。
マリッサのカサ
- 住所:Calle San Miguel # 532 | downstairs, between Gervasio & Escobar Sts, Havana, Cuba
- TEL:(537)879-0504
- Email:acela@fbio.uh.cu
*個室は2人部屋と3人部屋、ドミトリーは4人部屋
*マリッサは英語、スペイン語、ロシア語を話します
ピンバック: ハバナから3時間、世界遺産ビニャーレスの大自然はキューバで必ず訪れるべき癒しの場所 – FIND MY VOICE
キューバのブログ記事全て楽しく拝見させていただきました!
私も是非、今年の10月からハバナ大学に留学したいのですが、メールが返ってこなかったのに、どのように入学手続きやビザを取得したのでしょうか。
よろしければ、教えていただけるとありがたいです。
よろしくお願い申し上げます。
ブログ読んでいただきありがとうございます!!
入学手続きはブログにも書いたとおり、第一月曜日にハバナ大学へ行って行いました。
今も変わっていなければその日にクラス分けテストを受けることになります。
また、キューバ入国の際には乗り継ぎのメキシコにて取得したツーリストカードを提出し、
学生ビザはハバナ大学で学び始めてから下記4点を揃えて取得しました。
もう4年ほど前のことなのでスペイン語コースの内容等変更になっていることもあるかもしれませんが、参考になればと思います。
ハバナでの留学記事とても参考になります。
グアテマラ、ボリビアでの留学と比較検討していたのですが、キューバに傾いてきています。。
こちらの宿ですが、留学期間中はずっとこちらに滞在されていたんでしょうか。
3ヶ月と長期ですが、交渉次第でディスカウントも発生しうるのでしょうか。
よろしくお願い致します。
コメントありがとうございます!
交渉次第で安くしてもらうことも可能かもしれません。
ぜひ連絡してみてください。オーナーはとても良い人なのでおすすめです。
ブログ記事を拝見させていただき、私も来月よりハバナへの留学を決めました!そこで質問なのですが、私もマリッサのカサに滞在予定なのですが、カサから大学までは徒歩で通いましたでしょうか?野暮な質問で申し訳ないですが、ご回答いただけると嬉しいです!