「コードを書くという作業はアートだ」といった類のことを誰かが言っていたような気がする。僕は人間の行動全てがアートだと考えているので、みんながどう思おうとどうでも良い。
日々コードを書いて飯を食っている人の中にはBGMを聴いて集中するタイプとそうでないタイプに分かれる。タイトルからも察せると思うが僕は前者だ。
音楽に合わせてビートを刻むことで脳のいい感じの箇所がいい感じにロジカルなアイデアを引き出してくれる。と勝手に思っている。
脳科学的なことには全くもって疎いので、実際は音楽を聴くことで生産性を下げているのかもしれないが、僕がコーディングという活動をする上でBGMをお供にできないなんてサザンの曲なしに134号線の湘南の海沿いをドライブするようなものだ。
コーディングのBGMとして最高だと思うのがNujabesである。僕が彼のことを知ったのは数年前なので、既に彼が他界したあとだった。通勤中にも仕事中にも彼の音楽ばかりを聴いていて、ふとある時、オフィスの隣の席に座るクリス君にNujabesを我が物顔で聴かせてみることにした。
「Hey Chris, so his music is amazing. Do you want to hear that?(クリス、こいつの曲最高なんだけど、聴きたい?)」
「Yeah, for sure(おう、もちろん)」
といった感じで聴かせると、二秒くらい聴いた後で「Of course, I know Nujabes. He is cool. I used to listen to his music quite a lot(もちろんNujabes知ってるよ。いい感じだよな。昔よく聴いてたよ。)」とのことを言うではないか。まさかアメリカ人の彼がNujabesのことを知っていて、しかもよく聴いていたとは。僕が単純に知らなかっただけで、彼は世界でも有名なDJだったのだ。
Nujabesの音楽を貼っておく。
Nujabesを聴きながらコーディングするとは
僕は普段ヒップホップもジャズもどちらもすすんで聴くことはないし全く精通していない。そもそもそこまで音楽好きというわけではない。それでもNujabesの音楽はヒップホップとジャズを融合しただけでなく、それに加えて哀愁や優しさや懐かしさがメロディから伝わってくる。
中毒性のあるメロディーを感じながらリズムに乗ってコードを書ける。気分がめちゃくちゃ高揚するわけではなく、安心感を与えてくれる音楽なのでそういうところがコードを書くときにもぴったりなのではないかと思う。
Nujabesの音楽と出会えたこと
好きなアーティストをただ紹介したいということとは少し違った意味で、彼のようなアーティストが間違いなく存在していたということをみんなに知っておいてほしいという意味でこの記事を書いているのかもしれない。
彼が亡くなってから早10年が経つ。彼が生きて本気で音楽に向き合っていた時に僕は彼のことを知らなかったわけだが、それから長い時を経て僕は彼が残した音楽と出会うことができた。
アートは作者が亡くなった後でも生き続ける。それは本当に、本当なんだ。ということを身をもって感じた。
そして、冒頭でも述べたように僕は人間の行動全てがアートだと思っているので、音楽や映画や小説だけでなく僕たちのたわいもない会話だったり優しさだったり笑顔だってアートなんだ。
だからそんなアートをたくさん残せる人生にこれからしていきたいし、そんなことを思わせてくれるNujabesとの、Nujabesの音楽との出会いだった。
Nujabes。コードを書くときのおすすめの音楽としてだけでなく、人生哲学さえも考えさせられることになった。コードを書いてる人も、そうでない人もみんな彼の音楽を聴いてビートを刻みながらアートを創り出して行ってほしい。
ありがとう、Nujabes。Nice to meet you, Nujabes.
実は一番のおすすめはLuvシリーズ
音楽だけでなく歌詞もあるのでコードを書く上ではそこまでお勧めできないけど、NujabesといえばLuvシリーズだと思う。1から6まであってそれら全てが最高に美しい。1話から6話までの小説。
僕にとってLuvシリーズはコーディングBGM用ではなく通勤用であるが、最高にカッコ良くて癒される音楽なのでぜひ聴いてみてほしい。