「キューバとアメリカを良き友人にしたい」ハバナ大学で共に学んだアメリカ人の言葉

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昨日アメリカ人がキューバを訪れる際のビザについて書いたので、今回はぼくが実際に出会ったアメリカ人についての話をしたいと思います。

このブログで何度も言っているとおり約3年前、ぼくはキューバの首都ハバナのハバナ大学スペイン語コースにて2ヶ月間学びました。

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そこでは世界中から老若男女が集まっており、ほとんどの人にとって第3言語となるスペイン語を共に学ぶ楽しさを日々感じました。授業ではスペイン語で話し、授業の後はスペイン語だったり英語で話していました。

もはやどの言語で会話をしていようが自分の意思がしっかりと相手に伝わりさえすればなんでもありな状況で、ぼくはそんな環境がたまらなく好きだったのだと今になって思います。

そんな素晴らしい日々を共に過ごしたアメリカ人がいました。

ふつうのアメリカ人がキューバにいることに驚いた

彼女はアメリカとキューバの関係性をぼくの脳裏から完璧に忘れさせてくれたし、それだけでなくこの2カ国の未来さえも明るいものであるとそう感じさせてくれた人でした。

彼女の名前はサラ。ぼくが学び始める数ヶ月前からハバナに滞在していました。

当時のぼくはアメリカ人がキューバを訪れるなんてそう簡単にできるものではないと思っていて、政府関係者やジャーナリスト以外のアメリカ人がキューバにいるなんて想像もしていませんでした。

そして、ぼく自身国家と国民は切り離して考えるという自分なりのモットーを持っていたにもかかわらず、勝手にアメリカ人のサラとして少し色眼鏡で見てしまっていたし、接してしまっていた気がします。

ぼくは初めの1ヶ月間はIntermedio(中級コース)で、次の1ヶ月間をAvanzado(上級コース)で学びました。

彼女とは上級コースに上がったタイミングで同じクラスになりましたが、それ以前から同じサルサ教室に通っていたり、一番仲の良かったドイツ人の友人と彼女が同じカサに滞在していたりで、なんだかんだはじめのうちから顔見知りではありました。

彼女はおそらくぼくの何倍もキューバについて調べていたし、サルサが大好きですごく上手でキューバ人の友人もたくさんいました。

アメリカ人のサラというイメージなんて途中からは完全に消えていたし、サラとキューバ人が会話をしていてもアメリカとキューバの関係性を唱える人なんて誰もいませんでした。

共に過ごす時間が増えると、彼女がキューバという国を愛しているということがすごく伝わってきたし、そうでなければビザの関係で2ヶ月毎にメキシコのカンクンへ渡り、また戻って来るということを3回も繰り返すことはなかったでしょう。

そんな彼女が授業中に言った言葉がぼくは今でも忘れられないのでいます。

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「アメリカとキューバを良き友人にしたい!」

その日の授業で、「Si〜」という英語で言うところのif構文も学んでいました。「もし〜ならば〜するだろうに」という例文を作って発表するというものでした。みんな順番に発表していく中で、彼女の順番が回ってきました。

「もしわたしが国のトップになれるのならば、過去のいざこざを全て忘れてアメリカとキューバを良き友人にしたい!」

一瞬クラスのみんなが静まり返る中で、キューバ人の先生はそっとサラに駆け寄りハグをしました。そして、多くを語ることはなくたった一言「グラシアス!」と笑顔でサラに言いました。

今思い出しても何だか泣きそうになりそうなくらい率直で力強いメッセージ。ぼくは今でもこの時のことが忘れられません。

誰ひとりとして夢見がちな発言として揶揄した人はいなかったし、その場にいたみんなが彼女のその言葉にふわっとした微笑みを浮かべていました。心のこもった率直な一言はものすごく影響力があって、力がみなぎっていて、そして優しさに溢れていました。

それまでの彼女の姿を見ていて心から信頼できる人間であると思ったし、アメリカとキューバという国同士の壁は分厚いけれど、アメリカ人とキューバ人の個人の間には何の隔たりもないんだなと感じました。

そんな出来事があってから早2年、今ではオバマ前大統領時代に国交正常化が成立し、アメリカとキューバは50年間続けたきた「近くて遠い隣人」の関係性を変えようとしています。

ラウル国家評議会議長とオバマ大統領が故ネルソン・マンデラ氏の葬儀にて握手を交わしていたというニュースを見て以来、遠くない未来に国交正常化という夢が叶うであろうと確信していましたが、ここまで早く達成されるとは思ってもいませんでした。

Wifiの普及、レストラン民営化などの変化はあるにせよ、国交正常化の後のキューバに国家の方向性としてそこまで大きな変化は今のところありませんが、今後アメリカとキューバがどのような関係性を構築していくのか気になるところです。

アメリカとキューバが向かう未来を明るいものにするために

サラが言った「アメリカとキューバを良き友人にしたい」という言葉は、どのようにすれば叶うのでしょうか。ぼくはキューバ人ではないし、アメリカ人でもないから、それを言い切ることは不可能です。

けれど、当事者ではない人間でも、その国で暮らす人のことを考えて何かを発言したり行動してみるのは自由だと思うのでぼくはキューバとアメリカの関係についてこれからも考え続けます。

サラの力強い発言は悲しいことに政府には全く届くことはないだろうし、国民レベルでの繋がりが世界を変えることができる可能性はものすごく小さいのかもしれません。

けれど、ぼくはやっぱり信じたい。国民ひとりひとりの発言や行動が何かしらのインパクトを未来に与えることを信じたいのです。これからの両国の関係性については今後もこのブログで随時取り上げていければと思います。

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